ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
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蜂に襲撃されました

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「痛い----!!」
竹藪に私の絶叫が響いた。左頭頂部に強烈な一撃! かと思ったら、さらに耳、頬にも!

これまで、蜂に刺されたことは何度かあった。それらはただのハチの一刺しだった。それに比べて今回は、あまりに強烈な痛みの連続で、何が何やらわからなかった。本当に不意打ちである。すぐ後ろにいた吐渓が私の頭部をかばい、地面に押し倒した。
「蜂だ!」
そうか、蜂なんだ。私はパニック。
「そのまま這って遠ざかれ!」
吐渓に言われるまま、ほふく前進。吐渓は私に覆い被さったまま、ズリズリと一緒に這う。
「ようし、もう大丈夫だ」
ようやく蜂の襲撃から逃れることができたのだった。
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その日は、毎年恒例の新潟県の秋山郷から長野県の高天原に抜ける魚野川遡行の2日目だった。滝の高巻きで、竹藪と雑木林の入り混じった山肌の窪地で川に降りるルートを探し、先頭を行く仲間の数メートル後を私は追っていた。
帰宅して、吐渓が調べたところ、敵の正体は地蜂(クロスズメバチ)。地面に巣を作る蜂である。先頭が地蜂の巣を踏んで通り過ぎ、蜂が怒って攻撃態勢になったところに私が出くわしたわけだ。最初の一撃とそれに続く連続した痛みは、これまでに経験したことがないほど強烈だった。

直後に河原に降り立ち、しばし休息。吐渓はアナフラキーショックを心配して、呼吸は苦しくないか、吐き気はないか、動悸は、としきりに尋ねる。そういう吐渓も、私をかばってかなり刺されているようだ。最初は違和感はなかったが、歩き出してみると、なんだか様子が変だ。喉の違和感、胸部のかゆみ、なんだかいやーな感じ。
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その日はそれで行動を停止し、泊まり場で休むことになった。
刺されてから30分、経ったか経たないかぐらいで、胸や胴体部の違和感が、腕にやってきた。見ると、まるで水ぶくれのような腫れ。それは徐々に広がり、みるみるうちに水ぶくれと水ぶくれが繋がりあって大きな腫れとなっていく。それとともに強烈な痒み。それはもう耐えきれないほどの痒みで、私は腕をまくって冷たい川の水に浸け続けた。それが少し治まって泊まり場に戻ると、今度は足である。最初はすね、それから徐々に足先に腫れが広がっていく。
それは、心臓を中心に、薬物が徐々に末端に広がっていく過程を忠実にたどっているかのようだった。全身のアレルギー症状は、以前、ウルシにかぶれた時も経験したが、それ以上の痒みだった。
いても立ってもいられない痒みがようやくおさまったのは、3~4時間後だったろうか。それまではただ横になるか川の水に浸かっているかしかできない。ましてやご飯の支度だなんて。
それなのに、ご飯を作ろうという気になれたのだから、確実に回復していったのだと思う。
「頑張れ自分、蜂の毒になんか負けない!」
と言い聞かせた成果だったのだろうか。吐渓も数カ所刺されているのに、ケロリとしている。それに比べてアレルギーー体質の私はひどい目にあったものだ。
それがアナフラキーショック、そのものの症状だと帰宅してからネットで調べて確認した。死に至る場合もあるらしい。いやはや、恐るべし蜂! オオスズメバチはもっと毒性が強いので、私が刺されたら本当に生命の危機だと思った。
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これまで何度も危険な目には遭ってきたけれども、こんな恐怖は初めてだった。自分の中側から、自分では分からない何かが急速に起きている自覚と、違和感。
とりあえず正常に帰ってこられてよかった。遡行は断念して引き返さざるを得なかったが、命あっての物種。
渓は楽しい。渓は美しい。でも渓はとても恐ろしいところでもある。
だからとてつもない魅力のある場所なのだ。

まだ刺された頬や耳は腫れているけれど、私はもう大丈夫。ところが吐渓が、帰宅して夏風邪で寝込んでいる。蜂に刺されたせいで抵抗力が弱まったのだろうか、それとも安心したせいだろうか。
健康でいられるってことが、そもそも奇跡なのかもしれない。
体中の痒みの記憶に、まだあちこちが痒いような気がして、なのに痒いところがわからない心許なさに平常心、未だ戻らず。
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by 4433yoshimi | 2011-08-16 00:07