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ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
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行った、釣った、食った。

7月のメイン釣行は北アルプスの黒部川源流。昨年は雨で撤退したのでリベンジを、と出掛けたのだが、願い空しく昨年以上の大雨で川は濁流となり、またもやリタイアとなってしまった。薬師沢小屋に2泊。けれど、北アルプスの稜線に咲く高山植物の花々が、愛らしく、心癒やされた。まるで天国への道のようだったよ。
行った、釣った、食った。_f0207325_15441698.jpg

そして8月は、毎年恒例の上越国境魚野川遡行。昨年は、私がスズメバチに刺されてリタイアしたのだった。今年こそ、と気を引き締めて出掛けたのに、初日の午後に集中豪雨に見舞われた。早めにタープを張っていたので雨に濡れずにすんだが、見る見るうちに増水してコーヒー色の泥水に変わっていく川を眺めながら、吐渓につぶやいた。
「もしかすると私たち、大雨神様になっちゃったのかな」
「………かも」
しかし夜半には雨が止み、翌日からはまごうことなき晴天。よかった。大雨神様の称号、返上できた。2日目は、快調にいくつかの美しい滝を越えて進み、私が数年前、足下の岩が崩れて死にそうになった滝も無事通過。イワナも遊んでくれたし、やっぱり渓は楽しいなあと、自分が渓の子だったことを体の細胞の隅々までが覚醒したのだった。
行った、釣った、食った。_f0207325_15482662.jpg3日目は、家ほどもある大岩がゴロゴロと転がる川をずんずん詰め上げて、当初の川幅の半分以下になった穏やかな流れのそばに野営。高度は2千メートル近くもあるので、さすがに寒い。一度、寝袋に入ってしまうと、出るのがおっくうになってしまう。
最終日はついに流れがチョロチョロになってペットボトルに水をくむのも時間がかかるほどに。そこからネマガリダケの群生する藪を越え、稜線の登山道へ。3日間かけて自分の足で歩いてきた渓を振り返った。しみじみと美しかった。

どうしてこんなことをしているのか。危険もあるし、虫には悩まされるし、重いザックを背負っての行軍は体力の消耗も激しい。つらいことだらけ。それでも、ありあまる楽しさが、喜びがある。まさに、これが生きるってことなんだろう。生きることがつらいと思っている人には、是非ともお勧めしたい遊びである。
9月のメイン釣行は、私が一番最初に訪れた渓だ。もう何度も何度も通った渓。けれど、どの渓も訪れるたびに違う顔を見せてくれる。深かった淵が浅くなっていたり、倒木が重なっていたり、大岩が消えていたり現れたり。人が年を重ねるように、渓も年を重ねて変化し続けている。
渓の楽しみは尽きないのである。
行った、釣った、食った。_f0207325_15465354.jpg

by 4433yoshimi | 2012-08-09 15:49