このところ鹿料理が続いている。昨夜は骨付きアバラ肉のグリル。前回はちょっと焼きすぎで肉が硬くなってしまったけれど、昨夜はちょうどいい焼き上がりで食べやすかった。吐渓はここが肉としては一番おいしいという。アバラ肉といっても豚のような脂肪は皆無なので、脂嫌いの私でもいただける。骨のきわのコリコリがいいと骨をカジカジしている吐渓は、やっぱり本当に肉好きの肉食人種だと思わされる。
今朝は筋肉痛で起きあがるのもつらかった。昨日、ジムで初めてパワーヨガをやったせいである。通常のヨガよりは筋力トレーニングの要素もあるとかで、まあとにかく脇腹を中心に背筋、上腕など知らないうちに頑張って使ってしまったらしい。なにせ、終わった後は、両腕が生まれたての子鹿の脚状態でプルプル。地味だけどつらいよ、パワーヨガ。
吐渓はその間、腹筋を中心にマシーントレーニング。二人ともジムから出る頃にはぐったり、疲労感マックスで、昼ご飯は近くのふんよう亭で。
夜は中華居酒屋となるその店は、昔、荻窪に住んでいた頃、時たま訪れていた店だ。まだ改装前で、狭くて汚いながらも連日超満員の人気店だった。座る席がなく、店の外まであふれる立ち飲みの客たちの姿が、電球の赤い光に浮かんでいた。わけもなくみんな躁状態の時代だった。毎晩、新宿2丁目やゴールデン街、荻窪南口飲み屋街を明け方まで遊んだものだ。よくお金がもったなあ。稼ぎは飲み屋と洋服屋に全部つぎ込んでいた。残ったのは思い出だけ。
強者どもの夢の後。
その頃の安飲み屋では、全共闘崩れの出版関係者が幅をきかせていた。現在は自虐史観などと揶揄されているが、そうした歴史観は当たり前田のクラッカーな常識だった。男たちが高度成長期の金にあかせてアジアのあちこちの国に買春ツアーに出掛け、ひんしゅくを買っていたのもその頃だ。
そういえば、ネット右翼ってちょうど全共闘世代の子供なんじゃないだろうか。闘争するDNAを受け継いでいる世代なんだろうか。
ふんよう亭は非常においしいというわけではないけれど、昔ながらのまっとうな作り方だと思われる、安心して食べられる味だった。ジムの後はボリュームもなくてはね。その点も合格で、リピートしそう。
明日の空手の稽古はじめまで、何とかこの筋肉痛、和らいでくれるといいのだけれど。