ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
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君はもう豚を食べることはできない

到来物の多いこの季節、感謝の日々。先週、吐渓の整体の患者さんから豚のロース半頭分が届いた。絶句。トンカツにしたら50人分は取れそうな肉塊である。途方に暮れて2階にいた吐渓にヘルプ。
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「どうするコレ」
「1回分ずつ切って冷凍だな」
という訳で切断係とラップ包装係に分かれて共同作業。成り行きで私が切断係に。これが難行苦行。赤身よりも脂肪がネットリとして硬く、なかなか切れやしない。2人分カットが約8cm、4人分カットが約13cmくらいのつもりが次第に厚みが増していくような。とりえず食べる分は1.5cmほどの厚さにカットし、塩コショーしてフライパンで焼いた。
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すごいボリューム。付け合せのリンゴのワイン煮を合いの手でかじりながら、大きな肉を頬張っていると、昔のテレビアニメ『原始家族フリントストーン』的気分。味は、昨年、吐渓がアメリカの故郷から持ち帰った物のほうがおいしいと思ったが、臭みもなく上々。ありがたいことである。

数日後、塩をまぶして熟成させた豚の塊をローストしていると、
「実はさ……」
と吐渓がちょっと声の調子を落として切り出した。なんだか嫌な予感がしたのだが、的中。

以前、山仲間の紹介で我が家に整体にいらしたクライマーが、南米のパタゴニアの山中、氷の中に埋まっているのを発見されたそうだ。たまたま見つけた方が日本人で、掘り出すすべもなく、帰国してから方々に尋ねたところ、彼だと判明したのだという。遺族は荼毘に付して骨を日本に持ち帰りたいのだそうだが、現地では、このまま氷の中に留めておけばいつでも会いに来られるのだから、と現状で保存しておくことを勧めているという。

まだ若い青年だった。パタゴニアが好きで、よく訪れていたらしい。そんなに好きな場所だったのなら、そのままにしておくことが故人の願いなのではないだろうか。永遠に年を取らず、この地球が滅びる日まで同じ姿のまま氷の中……。まるで夢幻のようだ。

ほどよく焼けた肉は、実においしかった。やはり、肉は塊で調理したほうが絶対においしい。確か、氷の中の君にも、我が家でご飯をお出ししたはずだ。何を食べたのはもうすっかり忘れてしまった。死んでしまえばすべてが詮無いことだ。
生きていることに感謝し、冥福を祈った。
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※女性格闘家を迎えて3人の食卓。豚肉のグリル、リンゴワイン煮、鮎の酢じめ、ホタテとアボガドとセロリと明太子の和え物、クレソンとトマトの塩レモン、キムチ、ジャガイモと下仁田葱と近くの公園で採れたキクラゲの味噌汁、玄米ご飯。
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by 4433yoshimi | 2009-12-15 23:01