ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
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鼻毛ボーボーのじっつぁま、仕事は確かだ、たぶん!

阿佐ヶ谷パール街の練り物屋で好物の伊達巻きを買う、という吐渓に付き合って家を出た。その日、午前中はジムで汗を流していたのでちょい疲れ。でも、店まで歩いて30分くらいだからと徒歩。
五日市街道から青梅街道を荻窪方面への向かって右の歩道を行く。
「あれえ、ちゃんと編んでるんだ」
吐渓が声を上げたので振り向くと、篭屋の店先。ガラス戸の向こうの上がりかまちの畳の上で、おじいさんが竹のザルを編んでいる。戸の前の商品陳列棚には、ザルはもちろん、籠や熊手、箒、裏ごし器など、竹製品が雑多に、けれどひとつひとつ丁寧に、ホコリが被らないようビニール袋に包まれて並んでいる。
そうだ、年越しそば用のザルを買おう。百均でも売っているのだろうが、お正月である。ガラス戸を開けて「くださいな」と声を掛けると、おじいさんが待ってましたとばかりに立ち上がり、草履を引っかけて店の外に出てきた。いかにも職人さん風情。背は曲がり、膝も伸ばしきれない様子、そして鼻毛がボーボー!
「いや、近頃はこういうのを使ってくれる人がいなくてねえ。この竹は九州の……」
長話の始まりだった。けれど急いでいたわけでもないので、うなずきながら話を伺う。竹のザルは、竹自身が水を吸ってくれるので水きれがプラスチックのものとは全然違うのだとか。使用後、水を切るためにザルを逆さにした際、縁を打っては絶対にいけない、底を手でトントンと叩くということも教わった。縁を打って傷めると、編んでいた竹がバラバラになってしまうのだとか。
こうしたお客さんとのやりとりを、おじいさんはどれほど待っていたことだろう。毎日毎日ガラス戸の向こうで腰を折ってザルを編みながら。バブルの頃は注文に応じきれないほどの需要があったそうだが、今は買ってくれる人のあてのない竹製品を、毎日コツコツと作っている。
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野菜を蒸すのにほどよい大きさの深めの竹籠もいただいた。ビニール袋のヨゴレからすると、もう作ってから3年は経っているに違いない。しかし、その編みの緻密さ、仕事へのこだわりに惹かれた。
出掛ける前は、通りがかりの出店でお正月用に松飾りを買おうと思っていたのだが、ザルと籠に化けた。それで良いのだ。一期一会だもの。

お目当ての甘鯛を使った伊達巻きも購入し(1本3,000円を2本? どっひゃー!)、家路につく。往復、1時間の道のりを、のんびり2時間ほど掛けて歩いただろうか。その後、高円寺のパンク美容室にカットに行ったら、定休日。家から往復1時間。都合、3時間ほど阿佐ヶ谷と高円寺を行ったり来たりで、足がじんわり疲労。

そして今日、大晦日はなーんにもしなくていい一日だ。となると朝の6時に起きてしまうから不思議。今夜とお正月に食べるゼンマイとほうれん草とナスのナムル、牛肉の佃煮、海鮮チゲなどを作り、ちょちょいとつまみながら朝からビール&ワイン。大根なますは昨日作ったし、ピビンバ作るしかないおかず達。年越しそばは汁代わりだな。
てことは、ザルの出番は来年か……。
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みんなどうしているんだろう。懐かしい人の顔を思い浮かべながら一人酒の午後。吐渓秘蔵の伊達巻きを少しくすねた。
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by 4433yoshimi | 2009-12-31 13:50