人気ブログランキング | 話題のタグを見る

ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

小さいワラビは採らないであげてください

先週末、再び新潟へ。前回、訪れた時に芽を出したばかりのコシアブラがちょうど食べ頃だと地元の仲間、Tさんに教えられ、まだ花粉残る山里へ。1週間しか経っていないのに、虫がかなり出てきていて閉口したが、小一時間ほどで食べる分をいただいて終了。
その後、Tさんとと合流して焼き肉屋さんに繰り出した。肉そのものはごく普通だったけれど、出てきたご飯に吐渓とふたり、悶絶。家ではTさんが作った玄米を食べているが、ひさしぶりの魚沼コシヒカリの銀しゃり、さすがご飯にこだわる新潟の焼き肉屋さんだと感心した。こんなお米、東京のどんな高級飯屋に行っても出てこないだろうというほどのピカピカでツブツブの白米だ。糖尿病の家系で、予備軍だというTさんに、玄米にしたら数値、よくなるんじゃないかと勧めたが、かたくなに白米にこだわる米生産者であるTさんなのだった。こんなにおいしけりゃ、致し方ないかもしれないとは思うが、本当においしすぎて、痛し痒しである。

そこから沼田の家に行き、翌日、いただいた山菜と、新潟のスーパーで買った妻有ポークのひとくちかつで昼食。いやはや、山菜といい、豚肉といい、おいしくて顔がゆるみっぱなしだった。
小さいワラビは採らないであげてください_f0207325_13311283.jpg

毎年、山や川で山菜やキノコ、魚などをいただいているが、自然の恵みは自分が食べられる分だけしかいただいてはいけないと律している。そこの現場に行って、汗をかいた人だけに許される喜びだと思うからである。いくら欲しくても、小さいものには手を出さない、すべてを取り尽くそうとはしない、あくまでも謙虚に、そこの環境にダメージを与えないよう注意しながらの探索である。
小さいワラビは採らないであげてください_f0207325_13313611.jpg

それは場所によっても、年によっても状況は違うので、正解はひとつとしてなく、毎年、その現場の様子を見て判断することなのである。その判断ができるかできないかが、とても大事なことで、それは人に教わったり、自然に教わって初めて気づくことである。

毎日のように通って沢のイワナを絶滅させてしまった人、手の届かないところの山菜を採りたくて木を切ってしまう人、外来種の生き物を放してしまう人、大量のゴミを山中に捨てる人、バスでバイトさんを雇って他県に行って山菜をごっそり採ってくる業者、などなど、心ない現実はいっぱいある。人間は自然に生かされていること、自然は人間の力の及ばないすごいものなんだってことを忘れたら、きっと人間は滅びるのだろうと思う。畏敬の念と感謝は、常に忘れてはならないと自戒しつつ、自然に分け入るのである。

数日後、東京の知人に、某山で採ってきたというワラビをいただいた。きっと初めての山菜採りだったのだと思う。小指の長さにも満たないような地中から顔を出したばかりのワラビがたくさん入っていた。胸を痛めながらひとつひとつ下ごしらえをする。かわいそうだけれど、採ったからには食べてあげねば。
小さいワラビは採らないであげてください_f0207325_1332128.jpg

自然には、人から人へ、現場で直接伝えていくべきことが山ほどある。登山道を歩いているだけではわからないたくさんのことが。
by 4433yoshimi | 2011-05-24 13:32