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ご飯・空手・渓の日記


by 4433yoshimi
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従弟が鬱になりました

従弟が鬱になりました_f0207325_2029379.jpg

吐渓が福岡に出張し、仕事も一段落し、1週間ほどのんびり休暇気分、と思ったら、従弟が鬱になりました。個人のタクシードライバーを生業としている従弟が、急なめまいで仕事中に運転ができなくなり、吐渓にSOSが来て、回収に向かったのは1週間前。それから数日後には、自宅で具合が悪くなり、救急車を呼んだそうな。以前から自律神経失調のため通っている病院に運ばれたが、原因不明。それから2軒ほど病院をはしごし、心療内科でようやく納得のいく先生に出会えたとのことで少し安堵した。その先生の診断は、軽い脳梗塞と鬱病。いやはや、そうじゃないかと思っていたけれど、本当に鬱だったんだ。ここ数年、会って話をするたびに、あまりにネガティブなのでつまらないなあと思っていたんだ。それは病気のせいだったんだろうか。
「突然、このまま死んでしまいたいと思う時があるんだよ」
と言われたって、なんて答えりゃいいのさ。バカヤロー、なんてびんたするのかい。頑張れー、なんてのも鬱には禁句だそうだし、北海道に住む従弟の弟に電話しても溜息ばかり。どうしたものか。
従弟が鬱になりました_f0207325_20301493.jpg福岡に出張中の吐渓に、そんなことを報告するメールを出したら「さりげない監視が必要だ」との返信。さりげない監視か…。とりあえずたびたびご飯を呼ぶことにした。ただのご飯では食指を動かさないので、電話で「今日は、北海道のホッケを焼くからおいでよ」と誘ったら、「ホッケかあ、いいね」とちょっと明るい声になった。

「お姉ちゃん、これ読む?」と従弟が持ってきたのが漫画の単行本「岳」(石塚真一著・小学館)。北アルプスの山岳救助隊をボランティアでやっている青年が主人公のお話だ。無事に救助できることもあるが、半分以上の確率で死の描写が出てくる。死に引き寄せられているようで、私としてはなんだかなあ、である。雪山の世界は、それこそ生と死が紙一重。限りなく非日常の世界だ。これまで、そんなギリギリのところで山に対峙している若者を何人も見てきたし、何人も亡くなった。その、際どい世界を、エンターティンメントとして提供していいものだろうか。心を病んでいる人にとっては、ますます暗い場所に追いやることになりはしないだろうか。ちょっと危惧したが、心療内科の待合室にも全巻置いてあったそうなので、それなりの覚醒装置になる場合もあるのかもしれない。

従弟が、大きな頭を振りながら、ヨチヨチ歩きをしていた幼児の頃を覚えてる。生きるのはいろいろ難しいものだ。
by 4433yoshimi | 2011-06-05 20:30